『そして彼らに言われた、「全世界に出て行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えよ。』 マルコによる福音書16章15節
イエス・キリストがよみがえられた時、弟子たちは復活の主に出会った人々の言うことを信じることができませんでした。イエス・キリストはそんな弟子たちの不信仰とかたくなさを責められました。それは弟子たちを追い詰めるためではなく、弱さと罪を自覚させることによって現実の姿を知らせ、人ではなく創り主である神に望みを置くためでした。その上で「福音を宣べ伝えなさい」と、彼らのなすべきことをはっきりと告げられたのです。主は、自分の弱さを自覚した弟子たちが、神に信頼を置いて歩むならば、どんなに大きな神の業が伴うかを教えられました。神はわたしたちの努力や経験を用いられるのではなく、神に信頼しきるわたしたちの信仰を見て働いて下さるのです。その結果として、わたしたちの賜物や頑張りが用いられたように見えるかもしれませんが、その本質は、神の御心の実現、すなわち神の御業以外の何ものでもありません。わたしたちが、神の御手によって自分が用いられることを信じて信仰の一歩を踏み出すならば、神が働いてくださいます。だから神は、イエス・キリストを通してわたしたちを福音の使者として選び、神の恵みの業に預からせるために全世界に遣わし、すべての造られたものに福音を届けるため、わたしたちを用いてくださるのです。(説教者 船田肖二牧師)
|