『恵みによる前進』(ヨシュア記13章1〜14節) ( 9.27/2010 )
さてヨシュアは年が進んで老いたが、主は彼に言われた、「あなたは年が進んで老いたが、取るべき地は、なお多く残っている。ヨシュア記13章1節

高齢化社会、「老後はのんびりと…」とはいえない時代、聖書にもそんな時代があったようです。ヨシュア記13章から22章までは,約束の地が十二部族にどう割り当てられたかの記録です。この13章は、7節までにヨシュアへの主の命令について、その後にヨルダン川の東側の土地分割の状況について述べています。

T.神の励まし、命令  
モーセからバトンタッチを受け、短期間にカナンの地で多くの敵と戦い、主が共にいてくださったがゆえに、ことごとく勝利をおさめることができたヨシュアでした。主はもう九十歳を越したと思われるヨシュアに、「あなたは年が進んで老いたが、取るべき地は、なお多く残っている」と仰せられました。地中海沿岸を南から北まで広く支配していたぺリシテ人は特に強く、五つの都市国家が繁栄していました。北部のヘルモン山周辺やレバノンに住む諸民族にも気をつけねばなりません。でも主は彼らを追い払うと力強く約束してくださいました。それと同時に主はヨシュアに、占領した地を十二部族に分割せよと命じられたのです。かつて主は九十九歳になったアブラハムに向かって「わたしは全能の神である。あなたはわたしの前に歩み、全き者であれ」と言われたことがあります。また、夜通し働いたが魚一ぴきとれず、疲れ果てて網を洗う漁師に向かって「沖へこぎ出し、網をおろして漁をいてみなさい」と言われたイエスの言葉など、当人にとっては迷惑至極な言葉であったに違いまりません。しかし、神は全能のかたであり、全知の主であり、愛にあふれるかたですから、私たちを苦しめたり、重荷を負わせることはありません。ただ神のご計画を信じて「しかし、お言葉ですから網をおろしてみましょう」と信じ従うところに私たちの信仰があります。

U.戦いの意味 
8節から、まずヨルダン川の東側の相続地が確認されます。ここは、エモリ人の王シホンとバシャンの王オグの領地でしたが、彼らをモーセが打ち破って占領した所です。この広大な土地は、すでにモーセによってルベン族とガド族と、マナセの半部族とに与えられていました。占領すべきところがまだまだたくさんあるにもかかわらず、相続地の分割が行われたのはなぜでしょうか。それは、十二部族がそれぞれの土地に住みながらも、主に信頼して敵と戦うことを教えるためだったと思われます。

V.共にいる神の恵み 
14章に信仰を持って戦いに進んで行ったカレブがいます。かつて、ヨシュアと共に神を信じて前進しようと信仰にたちました。士師記には、主に信頼して戦うことが何度もあったことが記されています。私たちの生涯にも様々な戦いとか試練があるでしょう。でもそれから逃げてはいけません。主に信頼して戦いましょう。主は共に戦ってくださり、私たちを成長させ、勝利を得させてくださいます。
(説教者 仙台国見教会 仁科宣雄牧師)

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