「成し遂げるお方」(詩篇37篇1節〜8節) ( 8.9/2015 ) |
「あなたの道を主にゆだねよ。 主に信頼せよ。主が成し遂げてくださる。」(詩篇37篇5節、新改訳) この詩篇は10個の単語でできています。そして最後の三語には「彼は行う」と記してあります。自分がやらなければ物事は動かないという考え方もありますが、聖書は、主と呼ばれる神が成し遂げてくださると教えています。 1.語彙 (1)あなたの道を主に委ねよ (ころがせ、委ねよ)(〜の上に)(ヤーウェ:まことのかみの固有名詞、主) (あなたの道、旅、習わし)と単語が並んでいます。 (2)主に信頼せよ (と)(信頼せよ、より頼め、確信を持て、大胆になれ、安全であれ)(〜の上に) (3)主が成し遂げてくださる (と)(彼は)(行う、実行する) 2.実例 (1)ダビデ サムエル記下16章5節から12節に、サウル家の一族のシメイによってダビデとその一行は「血を流す人よ、よこしまな人よ、立ち去れ、立ち去れ」と、のろわれたばかりか、石を投げられたと記されています。しかし、ダビデは「彼を許してのろわせておきなさい。主が彼に命じられたのだ。」と語っています。ダビデは自分を憎む人も神の御手にあると信じ神に身を委ねました。そして、「主はわたしの悩みを顧みて下さるかもしれない」(12節)と、その神の前に、反抗せず神に信頼しました。そして、後にシメイは(自分の罪を知った)とダビデに詫びています(サムエル記下19章20節)。 (2)サムソン サムソンは怪力の持ち主として知られていました。しかし、力の源である髪の毛を切られ、力を失って、奴隷にされ、両眼をえぐりだされ、宴会のさらしものとして呼び出されました。その時、彼はこう祈りました「サムソンは主に呼ばわって言った、『ああ、主なる神よ、どうぞ、わたしを覚えてください。ああ、神よ、どうぞもう一度、わたしを強くして、わたしの二つの目の一つのためにでもペリシテ人にあだを報いさせてください』。」(士師記16章28節)神はサムソンの祈りを聞かれました。サムソンは祈ることのできる神を知っていました。そして、神は彼を強くしてくださいました。 (3)ダビデの祈り ダビデは罪を犯したのち、その悔い改めの祈りの中で「神よ、わたしのために清い心をつくり、わたしのうちに新しい、正しい霊を与えてください。わたしをみ前から捨てないでください。あなたの聖なる霊をわたしから取らないでください。あなたの救いの喜びをわたしに返し、自由の霊をもってわたしをささえてください」。(詩篇51篇10節〜12節)と祈っています。ダビデが自身の罪を知った時、主に求めたものは霊の助けでした。 3.考察 神の下に身を置き、自分で自分に力を満たせると考えるのではなく、神に祈り求め、神の霊で満たしていただくとき、神がことを行ってくださるのです。 「主よ、わたしをあなたの平和の道具としてください。憎しみのある所に、愛を置かせてください。侮辱のある所に、許しを置かせてください。分裂のある所に、和合を置かせてください。誤りのある所に、真実を置かせてください。疑いのある所に、信仰を置かせてください。絶望のある所に、希望を置かせてください。闇のある所に、あなたの光を置かせてください。悲しみのある所に、喜びを置かせてください。主よ、慰められるよりも慰め、理解されるより理解し、愛されるよりも愛することを求めさせてください。なぜならば、与えることで人は受け取り、己を忘れることで人は見出し、許すことで人は許され、死ぬことで人は永遠の命に復活するからです。」(聖フランシスコの平和の祈りより)。大事のためにも小事のためにも、自らのわざを止め、祈りましょう。神のわざを見るために。 |
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