「その枝の陰に宿る」(エゼキエル17章18節〜24節) ( 6.25/2017 )
「わたしがそれをイスラエルの高い山に植えると、それは枝を伸ばし、実を結び、みごとな杉の木となり、その下にはあらゆる種類の鳥が住みつき、その枝の陰に宿る。」(23節)

この17章には2羽の大鷲が出てきます。最初に出てくる鷲はバビロンを後に出てくる鷲はエジプトを指しています。バビロンは南ユダ王国を懐柔した際、エホヤキン王を捕らえて退位させ、代わってゼデキヤを王とした(2列王23章17節、旧約680頁)のに、ゼデキヤはバビロンの王に逆らってしまうというのが17章の問題点です。

1.選ばれ守られ愛されていたゼデキヤ
バビロンは自分の意に沿う政治をするためにゼデキヤを選び立て守り、よくはびこるぶどうの木(6節)と言われるほど繁栄するまで助けました。

2.バビロンの王に反逆したゼデキヤ
ゼデキヤは自分の力で王になったのでもなく、また肥えた土地に植えられたのでもなかったのですが、植えてくたバビロン王やバビロン王を用いておられる神を忘れエジプトに助けを求めてしまいました。このことを、神は契約違反だとして激しく怒り裁くと告げておられます(15節〜21節)。

3.神の憐み(22節〜24節)
このように反逆した民に対して、神は新たに高い杉のこずえを取り、イスラエルの高い山に植えると約束されています。これは主イエス様を表す預言です。人生の様々な荒波にもまれて神の愛を信じられなくなっている民に対して神が送ってくださったのは主イエス様です。

1932年にフランスのボルドーで生まれた作家にジャン・ジャック・サンペという方がいます。彼の書いた『とんだタビュラン』には、自転車屋なのに自転車に乗れないタビュランが、自分が自転車に乗れないことを告白する苦しみと葛藤について描かれています。ゼデキヤも神の愛を信じきれずにエジプトに頼ってしまったのかもしれません。しかし今は、神は主イエス様によってご自身の愛を現わしてくださっています(23節)。神に反逆しないで秘密を主イエス様に告白し苦しみから解き放たれましょう。その枝の陰に宿りましょう。もう立派な木にならなくて良いのです。

(参考図書 ジャン・ジャック・サンペ著、荻野アンナ訳『とんだタビュラン』、太平社)

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