『あなたはすべてをご存じです』 ヨハネによる福音書21章15〜19節 ( 4.20/2010 )
「イエスは三度目に言われた」、ヨハネの子シモンよ、わたしを愛するか」。ペテロは「わたしを愛するか」とイエスが三度も言われたので、こころをいためてイエスに言った、「主よ、あなたはすべてをご存じです。わたしがあなたを愛していることは、おわかりになっています」イエスは彼に言われた、「わたしの羊を養いなさい」。」ヨハネによる福音書21章15〜19節

わたしたちは聖書を通して、いろいろな苦しみや痛みを学ぶことができます。そこには物理的な痛みもありますが、精神的痛み、また霊的な痛みもあります。この、見て分からない痛みは、気が付かないうちにその人を追い詰め、また、立ち上がれなくすることもあります。イエス・キリストはわたしたちに、神がすべてのものを支配し導いておられることを教えてくださいました。その神から離れては、どんなに安心を得ようとしても、結局は不安や恐れ、あるいはむなしさを感じるにいたることになります。ペテロはイエス・キリストと出会い、この方こそ救い主であると信じ命をかけて従おうと決心していました。しかし、現実には自分が思い描いていなかった状況が現れたとき、イエス・キリストを捨てて逃げてしまったのです。その後、主が復活されたこと知って喜びましたが、愛する主を否定してしまった自分自身にどれほど傷ついていたことでしょう。イエスは傷ついているペテロに近付き、ペテロが主に語っていた言葉を持って問いかけてくださったのです。しかも何度も問いかけて下さったのです。ペテロは悲しさを覚えますが、それによって自分が忘れていた大切なことに気が付いたのです。すなわち、主御自身がすべてをご存知であるという事実こそ、わたしたちが平安を得るためのたった一つの根拠だったのです。弁明したり取り繕ったりしなくても、弱さも含めてすべてを知った上で愛し、わたしたちを生かすために十字架に死んでくださった主の真実な愛をはっきりと認め、すべてを知ってくださっている神を信じて主と共に歩ませていただきましょう。
(説教者 主管牧師 船田肖二師)




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