『心のささげもの』(レビ3章1〜5節) ( 3.22/2021 )
「その内臓をおおう脂肪と、内臓についている脂肪全部、・・・をささげなさい。
脂肪は全部、主のものである」。(:3-5節抜粋)

序. 現代は交わりの希薄・混沌の時代。そこから心の不健康も生じている。今朝は交わりの回復、そして健康の秘訣である心の平和、平安を学びたい。

1. 交わりの崩壊

「また不法がはびこるので、多くの人の愛が冷えるであろう。」(マタイ24:12)
現代は愛の冷えた時代。通信ツールは発達しても、人との交わりが希薄、混沌。そして人の心に平安、平和がない、孤独・孤立。手近な気休めに。しかし、聖書は「キリストこそわたしたちの平和」と語る。この平和とはシャローム、平安。完全な充足、健康・繁栄。祝福の秘訣は神の言葉に従うこと(申命記28章)。
今朝のレビ記3章は「心のささげもの」、和解・感謝・請願のいけにえ。脂肪とは、心の最も深い愛情・自由意志・願望を示す。「神を愛せよ」(マタイ22:37)。これが神の教えの要約の第一。この位置がきちんとはまると、「自分を愛する」、「隣り人を愛」せる。わたしの愛情はどこに向かっているか?まずはここのズレから矯正が必要。愛情の聖別。「主の前に」「主への火によるささげもの」「主のもの」。「汝の心を我に与えよ」(箴言23:26)あなたの霊も体も神のもの、被造物であるなら、あなたの心も神を愛するように造られている被造物。交わりの始まりは神との調和の状態。
人の罪は神を閉め出すところにある。「あなたは関係ない」。神を問題にしないところが人の罪。神に従う自由を捨て、自分勝手を選んだアダム、エバの罪がその根源。恐ろしい罪。そこから心の腐敗も始まる。根深く潜む、神・キリストへの反抗心。

2.交わりの回復

人の努力では罪の断絶から神に帰る道はない。「私たちが神を愛したのではなく、神が私たちを愛し、私たちの罪のために、なだめの供え物としての御子を遣わされました。ここに愛があるのです。」(Tヨハネ4:10) 神は御子を十字架につけ、罪を処罰して人を執り成し、神との和解を得させてくださった。神との調和の回復。食卓を共に一つの物を分けて食することが心の内に壁がない交わりのしるし(ルカ15:23)。そこには小羊の血が流れている。これが和解のいけにえ。交わりのささげもの。

3. 交わりの成長

「この方にあって、組み合わされた建物の全体が成長し、主にある聖なる宮となるのであり、」(エペソ2:21) 「兄弟たち。あなたがたは、自由を与えられるために召されたのです。ただ、その自由を肉の働く機会としないで、愛をもって互いに仕えなさい。」(ガラテヤ5:13)
個人と神との交わりにとどまらず、兄弟姉妹との交わりの成長へと膨らむようなダイナミックな交わり。自分を愛し、隣り人を愛する愛に。初めは神から。

おわりに. 愛に燃やされて

このささげものにも火が必要。脂は火をよく燃やす。交わりの中に、熱い愛があるなら、聖霊の火を燃やし、飛び火し、冷えた世を熱していく。わたしの心から、教会の内から、熱い愛の火を投じていただこう。「あなたがたは、真理に従うことによって、たましいをきよめ、偽りのない兄弟愛をいだくに至ったのであるから、互に心から熱く愛し合いなさい」「愛は多くの罪をおおうものである」(Tペテロ1:22、4:8)。
(説教者;田代美雪牧師)

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