『キリストによる自由』(ガラテヤ4章25節〜5章1節) ( 8.21/2022 )
「キリストは、自由を得させるために私たちを解放してくださいました。ですから、
あなたがたは堅く立って、再び奴隷のくびきを負わされないようにしなさい」(5章1節)

序. 『離れたくても離れられない人との距離の取り方』という本がある。人間に限らず、私たちはたとえそれが良いものであっても次第に、「支配されている」と感じ、不自由さを感じるものがあるのではないだろうか?人からの支配、自分の心の中を悪い感情が支配すること、悪習慣からの支配、多忙という支配、理不尽な規則による支配・・・。キリストが与える救いとはすなわち「自由を与えること」だと聖書は語る。

1. 「律法」とは

ガラテヤ書に出てくる、「割礼」や「律法」と聞くと自分に無関係に思える。しかし、私たちの周りでは、「人に迷惑をかけてはいけません」、「親に迷惑をかけるな」と言います。そのようなしつけや良心が律法の代わりをしています。現代では、世の中の情報が自分の行動の基準を方向づけていくかもしれません。それらは、ある程度は人を悪から守る助けになります。しかし、決定的な善悪の基準にはなりません。「自分は人より正しい」と思っても、絶対的な光の前には、どれも不完全。皆、「これが正しい、良い」と思う基準によって人を苦しめ、「良い」ものと思ってきたものが、人を不幸にします。その基準に達し得ないために人や自分を裁きます。それが律法の呪い。

2.キリストは律法の呪いをすべて代わってくださった

「戦争に行った人は戦地でのことを話さない」。どんなに供養や善行をしても自分の心の責めから解放されることはない。しかし、ただ一つ救いがある。

「キリストは、ご自分が私たちのためにのろわれた者となることで、私たちを律法ののろいから贖い出してくださいました。」(ガラテヤ3:13)

「父よ、彼らをお赦しください。彼らは自分が何をしているのかがわかっていないのです。」(ルカ23:34)

子どもは自分の失敗の支払いを償うことはできません。それを支払うのは大人です。私の支払いきれない負債を全部代わりに御子が支払ってくださいました。だから、この救いを受け取ることしか人間の救われる方法はありません。

あなたが守りきれない重荷を主イエスが完成してくださったのです。イエスさまは「完了した」(ヨハネ19:30)と言われました。完済したのです。もう自分が背負わなくて良いのです。

3. 御霊の実

キリストにあるものはすべての支配から自由にされました。しかし、それは「神への自由」です。本当の自由は神の家の子として生きる時、始まります。
そして、自分の頑張りではない、自己絶望して、神のパイプとして、神の恵みを取り継ぐ枝となり、義の実を結んでいく生涯へと進むのです。

結. 神に近づいて

私たちはすぐに古い自分に戻る性質があります。ですから、御言葉に照らされて、御心に従えない自分を悔い改め、喜んで神と人に仕える道に進ませていただこうではありませんか。
(説教;田代美雪牧師)

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