『より頼む者を守られる主』(詩編5編1節〜12節) ( 10.16/2022 )
「主よ 私の前に あなたの道をまっすぐにしてください。」(8節)

序. 夜明け前の祈り。ハドソン・テーラーは「中国の太陽は私の祈る姿を見ずに上ったことはない」と言った。暗黒の時代の中国にいる魂の救いのために祈り続けた。
「朝早く」とは固い意志を持った行動。

1. 声に出せない訴え

詩人は明け方前に祈った。その祈りとは神への訴え。神は審判者。

世の中には声に出せない訴えの方が多い。「私のうめき」とは声に出せない訴え。
訴えることができない、訴えを取り上げてもらえない、訴えても法で負ける。しかし、訴えを聞いてくださる場所が唯一ある。それが神のみ前。神はどんなドライブレコーダーより、赤外線防犯カメラよりもはっきりと隠れたことを見ておられる。

2.悪は裁かれる

バプテスマのヨハネを殺害したヘロデ・アンティパスとヘロデヤ。その悪事は、王女と離婚し、自分の兄の妻と結婚することから始まった。その終局は、ヘロデヤが兄アグリッパが王の称号を得たのを妬み、自分の夫も、とローマ皇帝に申し出ようとした所を、逆にアグリッパに悪事を密告され即流刑。夫婦共流刑地で最期を迎えた、若しくは皇帝に殺害されたとの説。「主は人の血を流す者や欺く者を忌み嫌われます」との通り。悪事は明るみに出る。

3. 追い迫った敵からも守られる

7-9節は礼拝の最中にも敵が追って来る緊迫した状況。しかし、神は守られる。ジョン・ぺートンは食人種族の孤島で宣教した。ある時、礼拝で祈り、目をつぶっている時に、斧が彼の首めがけて振り上げられた。その時、神は祈りに答え、ぺートンをすんでの所で救われた。

また、私たちが無知なために法律によって弱い立場の者が負ける時がある。若き日のリンカーンの父は裁判で負けて土地を追われ、法律の力を思い知らされた。しかし、素人でも神さまが必要な助けを与え、悪人が曲げた道でもまっすぐに直してくださる。無知な弱い者もかばって守り助けてくださる。

結. より頼みのくろうとに

正しい者が、知識の面で素人なために、損をし、泣きを見ることがある。
それでも大丈夫。ただ一つ大切なことは、「より頼む」ことにかけてはプロ、くろうとになる必要がある。

ハドソン・テーラーが行き詰った時、友人が手紙で伝えた。「どうしたら信仰が強くなるか?信仰が強くなるよう努力するのでなく、主により頼むことを覚えていくことです。」と。彼はその事実を土台として歩んだ。ハドソンの指導した内地会の最盛期には、教会は1233か所、祈祷所226、信徒9万人、宣教師1326人、小学校330校、中学校10校、医院16か所、診療所17か所に及んだ。
マラキ書に「義の太陽」が上るとある。正しい裁きの夜明けは来る。
望みを持ちつつ、私たちも主の血潮により頼み、神の前を歩んでいこう。
(説教;田代美雪牧師)

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