『悩みのうちから主に呼ばわれ!』(詩篇107篇) ( 6.29/2011 )
「彼らは人なき荒野にさまよい、住むべき町にいたる道を見いださなかった。
 彼らは飢え、またかわき、その魂は彼らのうちに衰えた。
 彼らはその悩みのうちに主に呼ばわったので、主は彼らをその悩みから助け出し、住むべき町に行き着くまで、まっすぐな道に導かれた。」
                                 詩篇107篇
 
激動の2011年も、折り返し点を迎えようとしています。今年は最初から、大雪や火山の噴火、ニュージーランドの地震など、環境が整備されればされるほど、文明の脆(もろ)さを思い知らされる出来事が次々に起こっていました。大地震による津波によって壊滅的な被害を受けた街の再建も、表面的には順調に進んでいるように見えます。けれども本当は、自然の恐るべき力と人の弱さをじっくりとかみ締め、自分たちが勢いにまかせてつくり上げた生活スタイルではなく、自分の分をわきまえた生き方の深い検証が必要です。主は『あなたがたはこの世にあっては悩みがある』と語られましたが、悩みや不便さをすべて排除するところには、本当の安らぎはありません。かえって一人ひとりが互いの足りないところを補い合い、仕えあうところに平安と喜びがあるのです。いつの時代にも災いや困難があり、人々はつくり上げたものを失い、集めたものを散らしてきました。神はその絶望の中で造り主である神を見上げさせ、共にいてくださることを教え、どんな状況の中からでも人々を立ち上がらせてくださるのです。しかも、生きて働かれる主は、神を信頼するものに責任を持って支え、行くべき道に導いてくださるのです。わたしたちも良い方法や、便利な生き方を求めるのではなく、神と共に生きる人生の幸いを認め、主と共なる歩みを今こそ始めようではありませんか。(説教者 船田肖二牧師)

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